突然だが、4月18日は何の日かご存じだろうか?
「よい歯の日」(4・1・8の語呂合わせ)という答えも正解なのだが、実はもう一つ、意外と知られていない記念日がある。その名も「発明の日」だ。
「発明の日って、なんか理科っぽい話でしょ?」と思ったあなた、ちょっと待ってほしい。この記念日、調べてみたら歴史的な大人物が登場したり、「日本初の特許」が予想外だったりと、知れば知るほど面白い雑学の宝庫だったのだ。
発明の日って、そもそも何?
4月18日が「発明の日」になったのは、1885年(明治18年)4月18日に遡る。この日、「専売特許条例」という法律が公布されたのだ。これが今の「特許法」の前身であり、日本で初めて発明を法律的に守るしくみができた日でもある。
1954年(昭和29年)に通商産業省(現・経済産業省)が「発明の日」として正式に制定し、以来毎年4月18日は特許や発明にまつわる啓発活動が行われている。
ちなみに、この「発明の日」を含む1週間は「科学技術週間」とされていて、全国でいろんな科学イベントが開催されているのだが、意外と知らない人が多い。
「へえ〜!」その1:初代特許局長があの高橋是清だった
専売特許条例が作られた明治時代、その制度を推進した中心人物の一人が高橋是清(たかはし これきよ)だ。
高橋是清といえば、後に内閣総理大臣にも日本銀行総裁にもなる超大物政治家・経済人。歴史の教科書にも登場するほどの人物だ。
その高橋是清が、なんと「特許局」(特許庁の前身)の初代局長を務めていたのである。政治・経済のエキスパートが特許行政のトップになる──これはかなり意外な経歴ではないだろうか。
明治政府にとって、特許制度の整備は「日本が近代国家である」ことを世界に示す重要な国家戦略だった。だからこそ、優秀な人材をトップに置く必要があったのだ。
「へえ〜!」その2:日本初の特許はサビ止め塗料だった
さあ、ここが一番の驚きポイントだ。
日本で最初に認められた特許(特許第1号)は、1885年の専売特許条例公布直後に登録された「堀田瑞松(ほった みずまつ)の錆止め塗料」である。
船の金属部分にサビが生じないようにする特殊な塗料の製法──それが日本の歴史に残る”最初の特許”なのだ。「てっきりもっとすごい機械とか電気技術かと思った!」という声が聞こえてきそうだが、当時の明治時代は海運・造船が国力の要だったことを考えると、非常に理にかなった発明だといえる。
今の感覚でいえば「船のコーティング剤の特許」なのだが、当時の日本の産業を支える実用的な発明として、見事に歴史のページに刻まれたわけだ。
「へえ〜!」その3:特許制度がないと発明者が損をする
特許制度が整備される前の日本はどうだったのだろうか?
実は、優れた発明をしても誰でも真似し放題という時代があった。商売の上手い人がその発明を横取りして大儲けする──そんなことが普通に起きていたのだ。
特許制度ができたことで、発明者は一定期間(現在は原則20年)、その発明を独占的に使う権利が認められるようになった。これが「発明する意欲」につながり、さらなる技術革新を生む好循環が生まれた。
つまり「特許」は単なる書類手続きではなく、イノベーションを守るための社会的なしくみなのだ。
身近な発明にも特許がある
「特許」というと、難しい機械や化学品のイメージがあるかもしれないが、実は日常の身近なものにも数多くの特許が存在する。
たとえば、パリッコフィルム=コンビニのおにぎりの「フィルムを引っ張ると海苔とご飯を、食べる直前に巻けるという仕組み」。あれも特許技術だ。パリパリ海苔のおにぎりを当たり前のように食べているが、あのフィルムの設計には発明家の知恵が詰まっている。
他にも、ペットボトルのキャップの形、使い捨てカイロの発熱メカニズム、マスクの立体構造など、生活に溶け込んだ製品の多くには特許技術が活きている。
「当たり前」に使っているものの裏に、誰かのひらめきと努力があると思うと、ちょっと感慨深くなってくる。

まとめ:発明の日を知ったら、身の回りを見渡してみよう
4月18日の「発明の日」は、1885年に専売特許条例が公布されたことに由来する。初代特許局長は後の首相・高橋是清、そして日本初の特許はサビ止め塗料──歴史的な背景を知ると、なかなか味わい深い記念日だ。
特許制度は、発明者の権利を守ることで「もっと良いものを作ろう」という意欲を社会全体で育てるしくみ。コンビニのおにぎりフィルムから最先端の技術まで、私たちの生活を便利にしているものの多くは、誰かの「ひらめき+努力」と特許制度が支えている。
今日、コンビニでおにぎりを買ったら、あのフィルムを引っ張りながら「これ、パリッコフィルムだ!」と思い出してほしい。きっと話のタネになるはずだ。


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