スマホが手のひらに収まるのは、画面が薄いからだけではない。中で電気の流れをものすごい速さで切り替える、トランジスタという小さな部品があるからだ。
名前だけ聞くと理科室の部品みたいだが、実はスマホ、パソコン、テレビ、ゲーム機、炊飯器まで、現代の電化製品のほとんどに関わっている。6月30日は、そんなトランジスタが世界に向けて発表された日。今日は「小さすぎる主役」の雑学をざっくり見ていこう。

トランジスタは何をしている部品?
トランジスタの役割をひとことで言うと、電気の流れをコントロールする小さなスイッチだ。電気を流す、止める、強める。この動きをものすごい速さで繰り返すことで、機械は計算したり、音を鳴らしたり、画面に文字や映像を出したりできる。
たとえるなら、トランジスタは電子機器の中にいる小さな交通整理係だ。「ここは通っていい」「ここは止まって」と電気の流れをさばいている。しかも、その仕事が速い。人間がまばたきする間に、とんでもない回数の切り替えが行われている。

昔の機械は「真空管」で動いていた
トランジスタが広まる前、電気信号を扱う機械には真空管という部品がよく使われていた。真空管は、電球のようなガラス管を使う部品で、ラジオや初期のコンピューターにも使われていた。
ただし、真空管には弱点があった。大きい、熱くなる、電気をたくさん使う、壊れやすい。たとえば、昔のコンピューターが部屋いっぱいの大きさだった理由のひとつは、この真空管を大量に使っていたからだ。
そこへ登場したのがトランジスタだった。小さく、熱も少なく、消費電力も抑えやすい。つまり、電子機器をぐっと小型化する道を開いた部品だったのだ。

6月30日に「世に出た」小さな発明
トランジスタそのものの実験成功は1947年12月、アメリカのベル研究所でのことだ。ジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテンが、ゲルマニウムという半導体に細い金の接点を当て、電気信号を増幅することに成功した。
そして1948年6月30日、ベル研究所はこの新しい部品を記者会見で公表した。ここからトランジスタは、研究室の中の発見から、世界を変える技術へと進み始めた。
ちなみに「トランジスタ」という名前は、電気に関する言葉を組み合わせて作られたものだとされる。今では当たり前に聞く名前だが、transfer と resistor を組み合わせた造語で、当時はまだ生まれたての新語だった。

ノーベル賞にもつながった発明
この発明に関わったウィリアム・ショックレー、ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンの3人は、1956年にノーベル物理学賞を受賞している。理由は、半導体の研究とトランジスタ効果の発見だ。
ここで面白いのは、トランジスタが「すごい機械」そのものではなく、すごい機械を作れるようにした部品だということだ。スマホも、パソコンも、インターネットも、AIも、こうした小さなスイッチの積み重ねの上にある。

身近なところでどう役立っている?
トランジスタは、ふだん目に見えない。でも、生活の中ではずっと働いている。スマホで写真を撮る。電子レンジで温める。テレビのリモコンを押す。パソコンで文字を打つ。ゲーム機でキャラクターを動かす。こうした動きの裏側には、電気信号を細かく制御する仕組みがある。
「部品」と聞くと地味に感じるが、トランジスタは現代生活の黒子のような存在だ。舞台には出てこないのに、いないと話が始まらない。

まとめ:世界を変えたのは、目立たない小さなスイッチだった
真空管からトランジスタへの進化が何段か飛び越えててすごい…!



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